ウイグル旅行は危険?ウルムチの治安について

ウイグル騒乱

2009年のウイグル騒乱を覚えている人はどれだけいるだろうか。

日本でも当時は大きくニュースになりました。

2009年ウイグル騒乱は、2009年7月5日、中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市において発生した騒乱事件です。

これに先立つ6月に広東省の工場でデマを発端として、玩具工場で労働者として勤務しているウイグル人が中国人に襲撃され多数が殺傷されました。襲撃側の刑事処分が曖昧にされたことからウイグルでの不満が高まったことが本事件の引き金となったとされています。

 死者192名、負傷者1,721名に上る犠牲者が出たとされています。

それからちょうど10年経った2019年7月、私は1人ウイグルを旅することに決めました。

現在のウルムチの治安

成田空港から天津経由でウルムチに着くまで7時間以上。

改めて中国の広大さを実感しました。ウルムチに到着して感じたのは、とても設備が綺麗だったこと。空港や地下鉄は上海や北京よりずっと綺麗でした。そのせいか中国の西端まで来たという実感があまり湧きませんでした。

肝心の治安なのですが、10年前にウイグル騒乱があったとは思えないほど良好でした。

日も昇らない早朝にタクシーを拾ったり、夜の街を散歩したりすることがありましたが、全く危険な目に逢うことはありませんでした。中国人の友達がウイグルは危険だから行きたくないと言っていましたが、他のどの中国の都市より安全に思えました。

それはなぜか?

まずは交番。

ウルムチの交番の数は日本の比ではありません。おそらく中国のどの都市よりも多いのではないでしょうか。100メートルおきくらいに、鉄格子で守られた頑丈な交番が並んでいます。

そして防犯カメラ。

どこを歩いても防犯カメラが目を光らせていました。罪を犯しても逃げ場はありません。

最後に警察官。

街を歩けばたくさんの警察官に遭遇します。特に繁華街や観光地、そしてモスクの前にも警察官は必ず立っています。人の多い国際大バザールには大きな銃を構えた武装警察の姿もありました。

 

ウルムチ市中心部にはビルやマンションが立ち並ぶ。

他の中国の都市と変わらない。

中国化していたウルムチ

ウイグル人の生活が覗きたくて、ウルムチに行くのは期待しない方が良いと思います。なぜなら現在のウルムチは圧倒的に漢民族が多く、中国化が進んでいます。

確かにウイグル人をはじめ、カザフ人などの少数民族も多くいます。ロシア人のような民族も見ました。

しかしウルムチは他の中国の都市と同じように見えてしまい、私はすぐにカシュガル行きの飛行機のチケットを買ったのをはっきりと覚えています。もしウイグル人の生活が覗きたいなら、ウルムチはあくまで経由地だと思った方が良いと思います。

カシュガルやホータンにも開発の大きな波が来ています。

カシュガルについたときはっきりと感じ取ることができました。もしウイグルに行きたいのならウルムチの観光は簡単に済ませて、早めにそちらに行った方がいいでしょう。

 

ウルムチ空港とメトロをつなぐ入り口。

中国語のほかに英語とウイグル語の表記がある。

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