留学先に日本人が多いと中国語上達に不利?

留学先の選び方

これから中国への留学を考えている皆さん、留学先を選ぶ際の基準は何ですか?

大学が有名であること。

自分が行きたい場所であること。

学費が安いこと。

留学先を選ぶ基準は一つではないはずです。

そして留学先に日本人がどれだけいるか、これは私が中国語の語学留学先を選ぶ判断基準の一つでした。日本人は少なければ少ないほど良い、はじめはそう考えていました。なぜなら日本人が多ければそれだけ日本語に頼ってしまう機会が多くなってしまうからです。

しかし留学してから気づいたのは、結局中国語の上達スピードに日本人の多さは関係ないということです。留学先に日本人がたくさんいようがいまいが、結局どう付き合っていくかは自分次第。

留学先に自分以外の日本人が1人しかいなくても、ずっと一緒にいればそれだけ中国語の上達機会は失われてしまいますし、逆に100人いたとしても、適度に距離を保っていることができればそれだけ中国語の上達する機会があるはずです。

実際に私が留学した上海にある大学、復旦大学には数百人を超える日本人がいました。留学を終えた今思うことは、復旦大学を留学先に選んでよかったということです。

もちろん良い点ばかりではなく悪い点もあったと思います。

そこで日本人留学生がたくさんいたことでどのようなメリットやデメリットがあったか、ここにまとめてみました。

日本人がたくさんいたことによるメリット

1.留学生活における情報共有

留学において大事なのは決して中国語の上達のみではないわけです。中国語の上達のみを目指すなら、日本の自宅に籠もってでもできることです。中国に留学することで現地の社会システムや中国人のものの考え方など、多くのことを肌身で感じることができるからのはずです。また急に体調が悪くなってどこの病院が良いのかなど1人じゃわかりませんよね?中国はインターネット規制がしっかりしていて調べるのも一苦労です。留学したての拙い語学力で現地の情報を収集するのは至難の技です。

しかし現地に日本人がたくさんいればどうでしょう?そこには日本人のネットワークが完成されていて情報共有に時間がかかることもありません。そこに飛び込めばいいのです。私が上海留学中にも急に交通ルールやアパートの利用規約が変更になることがありました。しかし事前に日本人同士で情報を交換していたので、不要なトラブルに巻き込まれることなく過ごすことができました。

2.中国語で理解できなかったとき日本語で聞くことができる

初めて中国で授業を受けた後、私は愕然としました。先生が何を言っているのか、私には全く聞き取れなかったからです。さらに授業の終わりに先生が口頭で宿題について話すのですが、宿題が教科書のどこからどこまでなのか全く理解できず、慌てふためいていました。そんな時に助けてくれたのは中国語のできる日本人クラスメート。私が中国語の授業に慣れるまで、毎回丁寧に教えてくれました。

3.中国人との出会いが増える

上海で中国語を勉強して間もない頃、現地の中国人との交流はもちろん少なく、生きた中国語に触れられるのは授業と買い物のときくらいでした。しかし日本人のネットワークに入っていくにつれて、その中にいるのは日本人だけではないことに気づきます。例えば日本語を勉強している中国人もいたりします。中国語が拙いときはこういった中国人とよく一緒に勉強して、難しい中国語を理解するのを助けてもらいました。

4.日本人同士、息抜きに遊びに行ける

1年間ずっと中国語しか使えないと、結構ストレスが溜まるものです。どんなに語学が上達しようと100%の意思疎通はほとんど不可能です。そんなとき日本人の友達がいれば、悩みを聞いてもらったり、一緒に息抜きに遊びに行ったりもできます。もちろん四六時中一緒にいるようでは留学する意味がありませんが。あくまで息抜きとして私は必要だと思っています。

5.例え1人2人そりの合わない日本人がいたとしても、他にも日本人がたくさんいるので問題ない

日本でも同じことが言えると思いますが、どこへいってもうまが合う人ばかりではありません。留学先も同じです。やっぱりこの人とは気が合わないな、という人もいるわけです。もしその日本人がその留学先唯一の自分以外の日本人だった場合どうでしょう。もう頼れるのは自分だけになってしまいます。よっぽど中国語に自信があるならそれでもいいと思いますが、それなら初めから留学は必要ないはず。そうならないために、最低でも何人か日本人がいるところに留学するべきだと思います。

日本人がたくさんいたことによるデメリット

1.日本語に頼りがちになる

日本人が多いとどうしても日本語を使う機会が増えてしまいます。復旦大学に留学する日本人は特に多く、日本語を使わない日はほとんどありませんでした。強いて言うなら日本人留学生が多く帰国する冬休みは、私1人だけ上海に残ったのでほとんど日本語を使いませんでした。

そうならないためにも普段から日本人以外の留学生と仲良くしていくことをお勧めします。中国にいる限り共通語は中国語、時々英語を使うこともありますが、日本語に頼りっきりと言う状況は回避できるはずです。私は前期はスウェーデン人と、後期はハンガリー人と中国人の友達3人でいることが多かったです。

2.中国社会に溶け込めない

郷に入っては郷に従え、私が好きな言葉の一つなのですが、上海に中国語留学をしにきて、中国の生活に溶け込む気のない日本人をたまに見かけました。そういった人たちは往々にして日本人同士でのみ固まっていていることが多かったです。しかしそれでは中国に留学する意味がないのではと思います。まるで日本にいる時と一緒です。中国にいるのだから中国でしかできないことをするべきではないでしょうか。

結論

結論として中国語留学において、日本人がたくさんいることそれ自体はデメリットにはなりません。大事なのは自分の意識の持ち方です。しっかりと中国語をマスターしてやろうと言う初心を忘れないこと。そして周りの日本人とどうやって付き合っていくか、しっかり考えて行動することが大事になります。