これから中国留学を考えている社会人へ、必要なのは踏み出す勇気

ニートが中国留学するまでのお話

リーマンショックで無い内定のまま社会に放り出されて、私は世間で言うニートとして実家に引きこもっていました。やりたいことがあるわけでもなく、家で何をするわけでもなく、ただただ時計の針が廻るのをじっと眺めていたり、ベッドで横になり目を閉じて、このまま目が醒めなければいいのにと毎日のように願っていました。人の視線が怖くて、出かけるのはいつも夜になってから。

今こうして振り返ると病んでいましたね。

そのような暗黒の日々も、ある一冊の本との出逢いで変わっていくのですが、ここでは割愛します。それから少しづつ立ち直っていき、1年半のニート生活に別れを告げて、ようやく就職します。 

就職してからはがむしゃらに働きました。

余裕も出てきた5年目、連休を利用して1人で台湾に。なぜ台湾に行こうかと思ったかというと、台湾でも日本語が通じるし親日的だと聞いていたからです。

当時は英語は中学生レベル、中国語は「ニーハオ」と「シエシエ」の知識しかありませんでした。

1人で外国へ行くのは怖かったですが、外国に対する憧れはありました。妥協しての台湾というと聞こえは悪いですが、結果として私の人生を大きく変えることになりました。初めての台湾旅行、それは私にとって忘れられないものになりました。楽しくて仕方がない。もっと台湾のことを知りたい。帰国してすぐに中国語のテキストを買って勉強することにしました。

それから上海人の先生のもとで中国語を勉強するのですが、仕事が忙しくて時間がとれない。だんだんフラストレーションが溜まっていきます。せっかく打ち込めるようなことができたのに、打ち込める時間が足りない。そこで入社7年目、大きな決断を下します。

「部長、私仕事を辞めます」

仕事と留学、ふたつを天秤にかけて出した答えが留学でした。部長には休職制度の利用を勧められ、結局は1年間会社を休んで留学することになりましたが。

留学するときすでに31歳。

不安でいっぱいでした。30歳を過ぎて初めて海外留学、しかも中国留学なんて遅すぎなんじゃないか。きっとクラスメートは大学生ばっかりなんだろうな。ニート時代の暗い重い歴史が頭をよぎりました。今度は中国で引きこもりになるんじゃないか、考えれば考えるほど眠れない日々が続きました。

しかし自分の人生に後悔したくない。

やりたいことをやって失敗して後悔するのはいいけど、やらないで後悔だけはしたくない。

その言葉が中国留学を選択した自分の支えになっていました。

 

放課後、体育館でソマリア人のクラスメートと卓球勝負。

彼とは1年間同じクラスで中国語を学んだ。

クラスメートに年上の日本人がいた

中国の留学先の大学では最初にクラス分けテストがあります。最初に筆記テスト、それから中国人の先生と会話テスト。会話テストの終わりに中国人の先生からすぐに「君は◯クラス」と発表がありましたが、私は怖気ついてひとつクラスを下げてもらったことを覚えています。

それから数日後、授業が始まりました。クラスメートは見るからに若そうな大学生ばかり。あとで知ったのですが、中国語の先生も半分は現役の大学生。きっとクラスで最年長だと思っていたのですが、なんと私より一歳上の日本人がいました。その日本人は仕事を辞めて中国にきた、新しい仕事を見つけるためにきたと教えてくれました。

30歳を過ぎてから留学を選択する人は私1人だけじゃない、同じ考えをもった仲間が他にもいるんだと知ったときは心強く感じました。

 

ハンガリー人のクラスメートとのブームは放課後、本科生の授業に忍び込むこと。

毛沢東の軍事思想が学べるのも中国の大学ならでは。

30代で中国留学ならまだ若い

正直に言って、私は年齢を気にし過ぎていたのかもしれません。

1ヶ月、2ヶ月と留学生活に余裕が生まれるにしたがって、だんだん周りが見えるようになりました。クラスメートも向こうから積極的に話しかけてくれましたし、一緒にごはんを食べに行ったりする機会もありました。

大事なのは怖気付かないこと、堂々としていることです。

そして気づいたのは、私より年上の留学生がたくさんいること。40代、50代、60代、年齢を感じさせない日本人留学生からいい刺激をたくさんもらいました。社会人になってから留学を考えるなんて、世間一般から言えばまともではないかもしれません。

しかし、留学するのに年齢は関係ないのです。

大事なのは行動に移すその勇気です。

 

クラスメートと休日に書道体験。

緊張してうまく書けなかった。

後悔をしないために

私は中国へ留学するか決断するのに1年以上悩みました。振り返ればもう少し早めに決断ができたはずだと思うところがあります。留学を決断するのに足りなかったのは勇気、これに尽きます。

留学を決断するまで、留学をしない言い訳を並び立てていました。

両親に反対されるから。会社に迷惑がかかるから。語学力がまだ足りないから。留学しても周りに馴染めないかもしれないから。

言い訳を考えるのは簡単です。

しかし、言い訳ばかり並び立てて、手元に何が残りますか。後悔です。自分のやりたいことを行動するなんて意外と簡単です。一度動き出せば、あとは流れに身を任せて動くだけ。次から次へと来る課題を一つずつ片付けていけばいいのです。

大事なのは勇気を持つこと。

留学の相談に電話一本掛けるだけでもいい、ネットでワンクリックするだけでもいい。今は昔よりずっと留学のハードルは下がっています。迷っている時間で、一歩でも踏み出してみませんか。

 

朝日を見るために大学から外灘まで自転車で走破。

結局朝日は霧で見えなかったが、楽しい思い出となった。