留学は何かとお金がかかる
生まれて初めての海外留学。どうすればいいのか、右も左もわからない人は多いと思います。
私は中国の上海に30歳を越えてから自費で1年留学しました。
最初は試行錯誤。成功したこともあるし、失敗したこともあります。失敗は成功のもととは言いますが、できることなら失敗は減らしたいですよね。出費もそうです。親が留学費用をポンと出してくれるのではなく、私のように働いて稼いだギリギリのお金で留学するのなら尚更。
そこで私が上海留学中にしていた節約術をいくつか紹介したいと思います。私が留学したのは中国の上海ですが、これは中国ならどこでも通用すると思います。他の国への留学でも結構使えるんじゃないかなと思います。
マイボトルを持ち歩く
人が生きていく上で欠かせないもの、水。毎日500mlの水でもいちいち買って飲んでいたら、結構な金額になりますよね。正直もったいないと思いませんか。
それにスーパーやコンビニで水を買いに行ったつもりが、なぜかコーラやアクエリアスなどの清涼飲料水を買っていたなんてことも。それは水代だけでなく、健康にも良くないです。
そこでおすすめしたいのが、留学前に水筒を一本買っておくこと。
サイズは500mlがちょうどいいと思います。
大きいの水筒を買ってもいいのですが、毎日持ち運びすることを考えれば小さいのがおすすめです。大きいとかさばるし、重たいしで結局使わなくなってしまいます。
そして保温機能がついているものを選びましょう。
ペットボトルのような素材のものは避けるべきです。夏は冷たいの、冬は温かいの飲みたくなりますよね。特に上海のような夏は暑くて冬は寒い地域へ留学するなら尚更です。
しかし500mlのボトルなんて、すぐに空になってしまうという人もいると思います。安心してください。
実は上海、あっちこっちにボトル用の給水所があります。逆に日本のように蛇口をひねって直接水が飲めるようなところがありません。主に図書館などの公共施設や、これからあなたが通うであろう大学校内では、建物ごとに必ず設置されているはずです。
私は給水に困ったことはありません。しかもだいたいお湯とお水、両方あります。中国人の学生はよくボトルの中に茶葉を入れておいて、お湯を 継ぎ足し継ぎ足しで飲んでいました。
この給水所は上海だけではありません、中国中にあります。中国であればどこでも使える節約術です。
ちなみに私が使っていた水筒はこちら。
タイガーの500ml軽量ボトル。シンプルなデザインでとても軽く、復旦大学に通っているときは毎日持ち歩いていました。日本にいる今でも愛用しています。
家具家電はいきなり買い揃えない
留学するにあたって高くつくのが、家具家電寝具などです。日本で使っているものを留学先に持っていければいいのですが、輸送コストの問題や電圧の問題で結局現地で買った方が安くなってしまいます。そうなると留学先で買うことになると思うのですが、少し考えてみてください。あなたは現地のどこに売っているかも知らないし、相場がいくらなのかも知らない。
そこで最初に買う家電などは必要最低限におさえましょう。
必要になったらそのつど探しましょう。
留学して時間が経てばおのずと現地で金銭感覚やどこで買うのが安いとか、身についていきます。また留学して時間が経てば、現地のいろいろな情報が入ってきます。同じクラスメートや現地の日本人会など情報源は様々あります。Aさんが日本の帰国に際して電気ケトルや空気清浄機などの処分に困っているといった情報や、Bという商品はこのサイトで買った方が安いとか、いろんな情報が入ってきます。
留学でみんな困ることはだいたい一緒です。
しっかりと情報共有のグループに入っていきましょう。
例として私は毛布やハンガー、充電器などを無料でゲットできましたし、上海の厳しい冬を乗り切るためのおすすめの安い暖房器具を教えてもらったりしました。(上海の冬は東京よりも厳しい)

学食の人気メニューのひとつ。
鶏肉のたれがご飯によく絡んでいて美味しい。
阿姨(おばちゃん)と仲良くなる
中国人は人を世話するのが大好きです。留学先に限らず、中国で訪れた旅先でも奢ってもらったことがあります。世界の中でも反日感情が強い中国でこんなに親切にされるとは思わず、はじめは驚きでした。むしろ変に外国人であることを隠すよりは、日本人と堂々と名乗った方が親切にされます。
中国人は日本人に比べて世話好きで人をもてなすのが好きですが、中国人の中でもおばちゃんはさらに世話好きです。
上海は復旦大学に通っていたとき、 登校はいつも一番乗りでした。8時に授業が始まるなら、いつも7時10分、20分にはもう教室にいました。働いて身体に染み付いた習慣ですね。始業時間には仕事がスムーズにいくようにするために下準備していたときと同じように、早めに登校して授業の予習をしていたわけです。
はじめは特に肝心です。最初の 授業でつまずけば、1年間全てが無駄になってしまいます。でもだんだんと慣れてくると、朝の予習時間も短くなるんですよね。そうなると時間に余裕が生まれる。遅く登校しても良かったのですが、その頃から大学の掃除のおばちゃんに話しかけられるようになったのです。
はじめは何を言っているのか、わかりませんでした。
しかし、毎日のように一緒にいるとだんだん耳が慣れてくるものです。
しかも休憩室に招かれて、 毎回いれたてコーヒーを用意してくれて、毎回バナナなどのフルーツやお菓子などをくれたので、朝ごはんにパンやおにぎりを買う必要もなくなりました。体調を崩したときには、わざわざ解毒効果のある料理を作って持ってきてくれたこともあります。大学構内ではたくさんのおばちゃんが働いているので、仲良くなったのはこのおばちゃんだけではありません。留学して授業最後の日にわざわざプレゼントを用意してくれたおばちゃんもいます。行きつけのレストランではおばちゃんが肉を多めに盛ってくれたりしました。
私はイケメンの対極にいるような人間ですが、これほどまでにおばちゃん方に気に入られていたのは、毎日こちらから必ず笑顔で挨拶していたこと、だと思います。
いろんな中国人の方々と仲良くなりましたが、節約したいならおばちゃんと仲良くしましょう。私は節約したくておばちゃんと仲良くしたわけではないのですが、結果としてこうなりました。留学仲間や同世代と仲良くするのもいいですが、こういった人たちとの交流も大事にしましょう。

大学のおばちゃんが私の足のサイズに合わせてスリッパを編んでくれた。
上海の寒い冬はこれで乗り切ることができた。
息抜きは忘れずに
最後に。
節約して生活を切り詰めるのはいいですが、自分の留学の目的を見失わないようにしましょう。あなたは語学さえマスターできればそれで OKですか。語学だけ勉強したいならテキストを買って日本にある近所の図書館に缶詰でもできるわけです。
せっかく留学しているのなら、現地の観光名所を訪れたり美味しいものを食べたりするべきです。語学だけがその国を理解する唯一のツールではありません。五感全てを使ってその国の素晴らしいところを探しましょう。
節約するところは節約して、お金を使うべきところで使う。
メリハリが大事です。実際に私も留学の最初の頃は生活を切り詰め過ぎて、身体を壊してしまいました。このブログを読んでいただいた皆さんには私と同じ轍を踏んで欲しくありません。これから皆さんの留学生活が楽しいものになることをお祈りしています。

日本から遊びに来てくれた友達と、大学の食堂で朝ごはん。
豆乳、饅頭、これだけ頼んでも10元ほど。
私のようなお金のない学生には本当に助かる。